炭水化物は体には大切であるけど注意点のある栄養
れいちゃん
今回は炭水化物についてお話していきます。
炭水化物とは糖質と食物繊維を足して合わせたものです。
さらには糖質といっても複雑にたくさんの形があります。興味を持てたら知っておくと更に楽しくなるかもしれません。
是非一緒に学んでいきましょう。
どうぞよろしくお願い致します。
炭水化物の基礎知識
炭水化物とは炭酸と水素の化合物という意味です。
炭水化物は基本的には糖質のことを示しています。
糖質
- 糖類
- 単糖類
- リボース:五炭糖、リボ核酸の構成糖
- デオキシリボース:五炭糖、デオキシリボ核酸(DNA)の構成成分
- フルクトース:六炭糖、果糖
- グルコース:六炭糖、ブドウ糖
- ガラクトース:六炭糖、糖脂質・糖タンパク質の一部を形成
- 二糖類
- スクロース:グルコース+フルクトース、ショ糖、砂糖の主成分
- ラクトース:ガラクトース+グルコース、乳糖
- マルトース:デンプン→アミラーゼ分解、麦芽糖
- トレハロース:グルコース+グルコース、多くの昆虫の血糖
- 単糖類
- 多糖類
- グリコーゲン:糖原、α-D-グルコース分子がグリコシド結合によって重合し、枝分かれの非常に多い構造になった高分子、動物デンプン
- デンプン:αグルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子
- セルロース:多数のβ-グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した天然高分子、繊維素
- デキストリン:デンプンまたはグリコーゲンの加水分解で得られる低分子量の炭水化物の総称
- グルカン:D-グルコースがグリコシド結合でつながったポリマー
- フルクタン:フルクトース分子の重合体、イヌリン
- 糖アルコール
- ソルビトール:単糖糖アルコール
- エリスリトール:単糖糖アルコール
- キシリトール:単糖糖アルコール
- マンニトール:単糖糖アルコール
- マルチトール:二糖糖アルコール。マルビット。
アルコールの構造式の特徴であるヒドロキシ基は、水分子H2Oから水素原子Hが1個離れた酸素原子1個と水素原子1個が結合した-OHをもった基で、これを基本にほかの分子と水素が結合したり置換されたりして、それに伴う性質を示す物質が産生されます。
糖アルコールとアルコールはこのヒドロキシ基(-OH)を持っていることが共通点なのです。アルコールと糖アルコールはまったく違う食品ですが、化学式で見た場合その構造式に同じ原子の集合体をもっているという共通点があります。
食物繊維
水溶性食物繊維の特徴
- 粘性
- 粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎます。
- 糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。
- 吸着性
- 胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。
- 発酵性
- 大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。
水溶性食物繊維の例
ペクチン
アルギン酸
ガム質
グルコマンナン
不溶性食物繊維の特徴
- 保水性が高い
- 胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。
- 繊維状、蜂の巣状、へちま状
- よく噛んで食べるので、食べすぎを防ぎ、顎(あご)の発育を促すことで、歯並びをよくします。
- 発酵性
- 大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。
- 概して、水溶性食物繊維より発酵性は低い。
不溶性食物繊維の例
セルロース
ヘミセルロース
リグニン
キチン
キトサン
果糖(フルクトース)
一般的に売られているものでフルクトースを成分として含まれているものは
砂糖
果糖ぶどう糖液糖
ぶどう糖果糖液糖
高果糖液糖
が挙げられます。
食品や飲料品、調味料については
フルーツ系全般
砂糖系全般
清涼飲料水
肉加工品
など数えきれないほど挙げられます。
理由は果糖ぶどう糖液糖やぶどう糖果糖液糖は砂糖より簡単に生産されコストが安いことが多いようです。
また依存性もとても高いそうです。砂糖中毒や果糖中毒や砂糖依存症という言葉もあるくらいですからね。
なぜ危険なのかを次に説明します。
果糖の危険性について
フィードバックの制御が効かないことが一番の問題点になります。
それによって健康効果に悪影響を及ぼす可能性が高いです。主に太りやすくなります。
そもそもフルクトースは糖分ではあるのでエネルギーとなるために解糖系の回路に入ることになるわけです。
しかし、フルクトースはグルコースより小腸での吸収がとても速く、GLUT5というトランスポーターによって吸収されます。
これは水に落としたインクが広がっていくように、自然と濃度の高いものから低いものへ移動していく「拡散輸送」です。
まず、フルクトースは肝臓に行く必要があります。濃度を調節しなければならないです。
肝臓に入ったフルクトースはフルクトース1リン酸になり、それがフルクトース1,6ビスリン酸となって、即解糖系に入ることができます。
ここに調節機能を持つ酵素を持たないのでフルクトースは入るたびに全てが解糖系に入っていってしまいます。
そうすると解糖系の最後にあるアセチルCoAが大量生産されてしまいます。
アセチルCoAは実は大量に生産され過ぎると中性脂肪に変換されるための経路に入っていきます。
そうして中性脂肪がどんどん生産されて太っていくわけです。
調節が全く効かない状態ではどういうことになるのか想像がつくかと思います。
一方で一般的な糖分であるグルコースはグルコースからグルコース6リン酸になります。
そして次にフルクトース6リン酸になり、さらにフルクトース1,6ビスリン酸となります。ここから先はフルクトースと同じです。
大事なのはグルコースからグルコース6リン酸へ変換させる酵素は調節可能な律順酵素となります。フィートバックが働くことが可能です。
以上であることから、同じ量だけのグルコースとフルクトースをそれぞれ食べるならば、フルクトースは危険だともいえます。
ただし、糖質を適切に摂取している場合にはその危険性は下げることは可能だと思います。
ただ何も考えずに果糖フルクトースを摂取するのはダメだということです。
イヌリン
イヌリンとは、キク科の植物によって作られる多糖類の一種です。
フルクタン(果糖の重合体)ではあるので、果糖の一種ということになりますが、人間の体内で消化する酵素を持たないのです。
ですので、成分的には糖質なのですが実際は食物繊維の働きを持つものということになります。
実際にイヌリンは栄養成分表示では糖質ではなく食物繊維として扱われています。
種類としては水溶性食物繊維です。水を吸うと粘度の高い状態になって食物の胃内停滞時間を長くするため、満腹感が持続しやすいです。
作用は腸内で発酵分解されるとフラクトオリゴ糖になることで知られています。
イヌリンは腸で水分を吸収するとゲル状になり、一緒に摂った糖質の吸収を抑える働きを持っています。
血糖値を上げるのを防ぐ効果もあります。
また腸内では悪玉菌のエサにはならずに善玉菌のエサとなります。
その結果、腸内環境を整える効果を持ちます。便通の改善も期待されます。
ダイエット食品などに多く利用されています。
イヌリンのサプリ
オオバコ(サイリウム)
一般的なオオバコは高地から平地まで、道端などによく生える野草です。
そして、サイリウムとはオオバコのうちエダウチオオバコというオオバコの一種で、ヨーロッパと西アジア周辺に分布されているものを生薬としたものです。
エダウチオオバコの種子から生成されます。
特徴は食物繊維が豊富で種類としては不溶性食物繊維です。
水に溶けずに腸の蠕動運動を盛んにして腸の内容物の停滞時間を短くしたりします。
オオバコ(サイリウム)のサプリ
キトサン
カニ、エビ等の殻に含まれるキチン質を加工した動物性の不溶性食物繊維。
種類としては不溶性食物繊維です。水に溶けずに腸の蠕動運動を盛んにして腸の内容物の停滞時間を短くしたりします。
キトサンを分解する酵素「キチナーゼ」「キトサナーゼ」は多くの生物種が生成できますが、人間はそれを持たないので食物繊維となります。
キトサンの体内の作用として、食事中のコレステロールの吸収を抑える効果があります。脂質のことですね。
脂肪やコレステロールの吸収を促進する胆汁酸を吸着して脂肪やコレステロールの吸収を阻害します。
食前にサプリとしてキトサンを飲むとある程度の効果がでます。
参考
キチン・キトサンQ&A日本キチン・キトサン学会